誰もが一度はトライしてみたことがある色、それが赤。どういうときに赤色を選んだのかを振り返ってみると、ココロのスイッチを入れ替えるときだったことが思い起こされませんか。何かを誓うとき、これから何かを期待するとき、あるいはこれまでの何かを収めるとき。赤は、ココロの機微に触れ、ちょっとしたチカラをくれました。
今回は、「食」のなかにある赤について取り上げてみます。まさしくそれを口元に運ぶとき、スイッチングの瞬間を感じます。
食卓を彩る赤ワインや赤い果実のアセロラ。これらに含まれるビタミンCやポリフェノールの抗酸化作用は、とくに有名です。抗酸化とは、酸化してサビつくのを防ぐ作用で、いわゆる「アンチエイジング」の旗印となった言葉です。同じく赤い色をまとったクランベリーは、そのポリフェノール含有量が他と比べて飛び抜けています*1。そしてもうひとつ、クランベリー特有のポリフェノール成分「プロアントシアニジン」は、尿路に細菌が付着・定着することを阻害し、膀胱炎や尿道炎といった尿路感染症を防ぐ作用にも優れています*2。
もともとカラダは感染を防御するしくみを備えていますし、おしっこもまた独自に静菌状態を保っていますから、何かの原因(きっかけ)があって、感染症が発症すると考えられます。つまり、生理活動である排尿機能に何らかの障害が生じ、菌が繁殖しやすい環境がつくられると、尿路がサビつき膀胱炎や尿道炎が誘発されることになります。たとえば、妊娠や一時的な腹部圧迫の姿勢・体位といった何ら病気と結びつかない生活のなかにも、残尿やときに尿失禁をきっかけに、体のバランスが崩れると、菌があばれはじめます。まずは尿道口、外陰部を清潔に保っておくことが大切です。
クランベリー特有のポリフェノール成分「プロアントシアニジン」は、尿路のサビつきを予防します。尿路粘膜への細菌の付着・定着を防止できれば、自ずと尿路感染症を予防できるわけです。
サビつかないように、ココロもカラダもスイッチングしませんか。ココロが赤色を求めるとき、カラダにも赤色のチカラを補給してあげましょう。そこでおすすめなのが、クランベリージュースを飲み続けること(適量を飲む+毎日続けること)です。
シリーズ第2回は、「赤を選ぶ」から考えるクランベリーの赤い実に秘められた2つのチカラ、抗酸化作用と抗菌作用についてお話しました。
■注意事項
〇尿路感染を発症されている方は、医師の指示に従い、適切な治療を受けてください。
〇クランベリーを含む他の健康食品の一部は、抗凝固剤ワーファリンの効果を減弱させる可能性が報告されています。ワーファリンを服用している方は、クランベリージュース飲用について医師にご相談ください。
■参考文献
*1 Vinson JA. et al., Phenol Antioxidant Quantity and Quality in Foods: Fruits. Journal of Agricultural and Food Chemistry. 2001; 49(11): 5315-5321
*2 Howell AB. et al., Inhibition of Adherence of P-Fimbriated Escherichia coli to Uroepithelial-Cell Surfaces by Proanthocyanidin Extracts from Cranberries. New England Journal of Medicine. 1998; 339(19): 1085-1086
■関連図表
●ポリフェノール含有量比較
[出典 Journal of Agricultural and Food Chemistry. 2001; 49(11): 5315-5321]