第9回:クランベリーとらっきょう様
「らっきょう」が一体何者なのか皆さんはご存知だろうか。 私は「らっきょうはらっきょう。そしてカレーなどの付け合わせである」という曖昧な認識で食べていた。 「ポン酢」はポンカンのしぼり汁と酢を混ぜたものだと思っていたし(ポン酢のポンはポンカンのポンではなくポルトガル語のポンス【蘭】に由来しているそう)、しなちくは魚介類だと思っていた。自分が食べているものにあまりに関心がないのはどうだろうと考えさせられたのは「らっきょうの花のイラスト」を描く仕事が入り資料を探している時だ。
さて「らっきょう」とはユリ科の野菜でタマネギやニンニクの兄弟みたいなものらしい。 なるほど、そう言われればあの独特の香りと歯ごたえはネギ科っぽい。栄養満点なのも分かる気がする。血圧安定、血液はサラサラに、さらには利尿効果、発汗作用、整腸作用、冷え性にも効く……。う〜ん、らっきょうがこんなに凄いものとは知らなんだ。これなら昔から薬用として食べられていたのにも納得がいく。 「よくわかんないけど、らっきょう」なんて思ってて申し訳なかったなぁ……。これからは「らっきょう様」とお呼びせねば。自分の中で勝手に「らっ教」を旗揚げしつつ、今度は変わり種のらっきょうについても調べてみた。(もちろんお取り寄せして実際食べてみた!)
つむぎやの「クランベリーらっきょう」は、北アメリカ産のクランベリー果汁を使用した甘酢に、国産のらっきょうをとっぷり漬け込んだ一品だ。ビタミンとポリフェノールたっぷりの鮮やかなクランベリーの実が甘酢の中に丸ごと入っている。実の甘さがアクセントになっていて普通のらっきょうが苦手という方も食べやすいのではないだろうか。 ルビー色に染まったツヤツヤの大粒らっきょうもパリパリと歯ごたえがあり後味もあっさり爽やか。食べたあとのにおいも少なく、低カロリーで、女性に嬉しい栄養が一粒一粒に詰まっている。付け合わせや添え物として扱われるらっきょうだがコレはメインとしていただけるぐらい食べ出がある。またもやらっきょうの可能性を見いだしてしまった。
忘年会にクリスマス、お正月と飲み過ぎ食べ過ぎになる季節。家では食べる量を抑えつつおやつも控えめに(絶つことは今さら不可能!)……でもどうしても小腹がすいたとき用にこの万能薬の「らっきょう様」を小瓶に入れて冷蔵庫に潜ませておきたい。