クランベリーのチカラ
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こんな人のカラダの中で、クランベリーは上手に働きます。

クランベリーのチカラ科学的な実験や統計学的な試験によって、根拠を求める西洋医学。
その欧米で日常生活の補給食材としてドクターが薦めるクランベリー。
学名はvaccinium macrocarpon。vaccine (ワクチン)という言葉がみつかりました。
クランベリーに秘められたチカラをシリーズでお届けします。

私のおしっこ、にごってる?

私のおしっこ、にごってる?健康診断の項目に必ず含まれる尿検査。
おしっこを見れば、カラダの具合がおおよそわかる…というように、おしっこからの「お知らせ」は重要で、いろいろな情報を発信しています。今回は「私のおしっこ、にごってる?」という、おしっこの異常サインを取り上げてみます。
おしっこのにごりとしてまず疑われるのが尿路感染症。
菌が発生、増殖して、本来透明であるはずのおしっこがにごり、カラダの異常を知らせます。菌の発生もとの多くは尿道の入口。世によく知られる大腸菌が起因菌として有名です。その菌が尿道をはい上がり、膀胱で増殖します。そして、尿路疾患では最も高頻度な病気、膀胱炎を起こします。
尿道が男性より短い女性にとってはごく身近な病気で、二人にひとりは経験すると言われています。
こんなふうに考えてください。
建物屋上に貯水タンク。
最近、蛇口から流れ出る水が、にごってるとか、生臭いとか、サビ臭いとか。水を貯めているタンクのなかで、何かが起こっているにちがいありません。いったい、貯水タンクで何が… ?
呼び出された管理人。
水道局の人に調べてもらって、貯水タンクを消毒・清掃することになりました。ふだんから管理、点検を心がけていればこんなことにはならなかったのに、と忠告を受けました。
さて、米国ではお医者さんが女性に日常摂取を推奨しているクランベリー。
クランベリーには尿路感染に対する抗菌作用が認められています*1。注目されるのが、プロアントシアニジンというポリフェノールに属する成分。クランベリーに特有のポリフェノールで、尿路や膀胱への菌の付着・定着を阻害します。また、酸味成分であるキナ酸(体内で代謝された後は馬尿酸となります)の働きも注目されています。馬尿酸が尿のpHを整え、菌発生に伴う尿の混濁やアンモニア臭を改善します*2。
尿路感染症を起こした腎臓あるいは膀胱の「消毒・清掃」となると、ドクターの仕事。でも、日々の「管理・点検」はカラダの管理人であるワタシのお仕事。
毎日の健康に対する心がけがワタシの生活を快適にします。ある日突然の不調の前に、日常生活のなかで管理、点検をつねに考えましょう。
こんな心がけをお持ちの方に、クランベリージュースを飲み続けること(適量飲む+毎日続けること)をおすすめします。
シリーズ第1回は、「私のおしっこ、にごってる?」から考えるクランベリーの抗菌作用という話でした。

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アタマ、働いていますか?

アタマ、働いていますか?「最近、もの忘れが多くなった」と記憶力(アタマのメモリー機能)の衰えに悩む人、「めっきり覚えが悪くなった」と学習力(アタマの認識機能)の減退におびえる人、あなただけではないですよ。
脳の神経細胞の数は生まれたときが一番多く、傷つけば新しく再生する他の組織の細胞と異なり、再生させることが難しいのが現実です。結果、脳の神経細胞数は歳とともに減っていく一方。ハタチを過ぎると一日に10万個減っていくとも言われています。なのに、世の中生きてくためには、覚えなくちゃならないことはいっぱい。そりゃ、一部のことは忘れる、一部のことはアタマに入らない……というのも仕方ないのかも。「昨日の夜、何を食べたっけ?」程度のことなら、ゆるしてあげましょう。日常体験の一部を忘れる(かつ自覚している)という「もの忘れ」、人生体験で大切なことを蓄積しておくには避けようがないのでしょうから。

しかしながら、脳はあらゆる器官の情報処理と精神活動をつかさどっているという事実があります。アタマの健康を保てなくては、カラダの健康は維持できません。
脳は、神経細胞を正しく働かせるためにたくさんのエネルギーを求めます。必要なエネルギーは、酸素とブドウ糖を消費して得ます。適度な運動と正しい食事を心がければ、エネルギー産生に必要な酸素とブドウ糖が補給され、アタマの健康が保たれます。

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垢(アカ)すり、してますか?

垢(アカ)すり、してますか?隣に座っている人が臭う・・・・・・のは、体臭のせい? いやいや口臭! という経験ありませんか。慢性的な口臭の原因の6割は、歯周病と言われています。歯や舌に付着した細菌と老廃物が放置されたままになると「メチルメルカプタン」という揮発性硫黄化合物質が発生します。生ゴミのような臭い、磯臭いといった、あの臭いの素です。

口のなかには何百種類もの細菌が常在していますから、口内の不潔は禁物。さらに細菌の増殖を助長・促進させるのが、喫煙(ニコチン、タール)、偏食(栄養不足)といった生活習慣、ストレスなどの生活環境と考えられています。

とはいえなんと言っても、原因除去がもっとも大切。原因除去にからめて、よく知られている言葉にプラークコントロールがあります。プラークとは歯垢(歯と歯の間の垢)のことで、歯周病の原因となる雑菌のかたまりです。歯周病細菌は単に口臭だけの問題にとどまりません。ときに、炎症誘発物質となり、動脈硬化を促進したり、気道炎症を導いたりもします。普段より循環器疾患、呼吸器疾患に不安を覚える人にとって、口内衛生を保つことは重要です。

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胃の痛み、気のせいで済ましていいの?

胃の痛み、気のせいで済ましていいの?4から7本の足をヘリコプターの羽根のごとく器用に動かし、pH1から2という強酸性の胃のなかで自由気ままに生きている菌。あなたの胃の粘膜を棲み家にしているかもしれません。彼らの名前はヘリコバクター・ピロリ、俗名ピロリ菌です。アルカリ性の防護服を胃のなかの尿素と酵素から作り出して、自分の周りだけ中和してしまうほどの知能犯。とても厄介者です。
というのは、ピロリ菌が、胃炎、さらに胃潰瘍、果ては胃がんまでの原因として知られているからです。胃潰瘍患者の約5割からピロリ菌が見つかっているほか、ピロリ菌の保菌者は、菌を持たない人に比べて約5倍も胃がんになりやすく、世界保健機構(WHO)がピロリ菌を胃がんの原因と認定したほどです。
長期にわたって症状はないものの、実は損傷は進んでいく……。このピロリ菌の活動をシロアリのようなもの、と例えた研究者(David Y. Graham氏)もいます。
さて、このピロリ菌はどこからやってくるのでしょうか。それは、おもに口からと言われています。ピロリ菌をもった人からの口移しの行為、たとえば離乳食の口移しやディープキス、あるいは上下水道の整備が遅れている飲用水に潜む場合もあるようです。日本の場合、戦後の衛生環境が悪い時代を経験した人に、その保菌率は高く出ています。

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ニオイ立つのは、気温や湿気のせいじゃない!?

ニオイ立つのは、気温や湿気のせいじゃない!?さて、懲りずに今回もおしっこの話です。
キモチいいのに、ニオイ立つ。あるときはビールっぽいニオイ、ある朝はニンニクっぽいニオイ、そして頑張った仕事のあとは栄養ドリンクっぽいニオイ。尿の臭いが、食生活を見事に再現してくれています。もちろん、気温や湿度がニオイの強度を左右したりしますが、そればかりではないようです。
最近、食生活に関係なく、おしっこのニオイが変わってきたような……。そんな方もいらっしゃるはず。実は、おしっこの「加齢臭」が今回のテーマです。ニオイの変化も、加齢によるサビつき現象のひとつです。

その理由は、尿路において菌が繁殖しやすい環境が、加齢とともに増すことにあります。まず単純に、菌の均衡を保つ体内の働きが崩れはじめること。この免疫力の低下や尿道粘膜の萎縮による防御力の減弱に加え、加齢に伴い、残尿・頻尿や失禁など排尿障害の症状がそのリスクを高めているとも言えます。たとえば、失禁をきっかけに菌は尿路を上行し、膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症を起こすリスクも高まります。

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公園の井戸端会議、夢中になっていませんか?

公園の井戸端会議、夢中になっていませんか?よちよちハイハイができるようになった頃、カラッと晴れた日に迎える「公園デビュー」。お母さんはベンチに座り、赤ちゃんは砂場にお尻をついて、それぞれ思い思いの「井戸端会議」を始めます。この井戸端会議こそ、子どもの情操教育と親の交流形成に欠かせない儀礼になっています。
今回は、この公園の井戸端会議と菌の増殖について取り上げてみます。話に夢中になっていたら、知らず知らずのうちに菌が増殖していた……なんて事態にならないために。

最近よく目にするのが、公園の砂場に覆うように掛けられたカバー。深夜、散歩中に放されたペットが砂場を目指して用を足すこともあるらしく、朝来てビックリ! なんてことにならないための防止策であるようです。砂いじりの最中も、口もぐもぐ、目かゆかゆ、鼻ずぅずぅの子どもたち。さらに、井戸端会議からの緊張と気持ちの抑揚で、オムツのなかもさぞかし忙しいことでしょう。ましてや、砂あそびに夢中になっている子どもを砂場からかかえ出すのは、新米ママには至難の業。ときには他のお母さんとの話に夢中になり、砂場に目をやるタイミングもおろそかになります。

細菌が増殖しやすい環境がオムツのなかでつづくようであるとしたら、好ましいことではありませんね。尿道が短い幼児にとって、膀胱炎や尿道炎は発症頻度が高い、ありふれた病気なのですから。そこで子どもの発熱では、耳や咽頭(のど)の腫れを見るだけでなく、尿を診ることも大切なことと言われています。

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ココロとカラダ、サビついていませんか?

ココロとカラダ、サビついていませんか?誰もが一度はトライしてみたことがある色、それが赤。どういうときに赤色を選んだのかを振り返ってみると、ココロのスイッチを入れ替えるときだったことが思い起こされませんか。何かを誓うとき、これから何かを期待するとき、あるいはこれまでの何かを収めるとき。赤は、ココロの機微に触れ、ちょっとしたチカラをくれました。
今回は、「食」のなかにある赤について取り上げてみます。まさしくそれを口元に運ぶとき、スイッチングの瞬間を感じます。
食卓を彩る赤ワインや赤い果実のアセロラ。これらに含まれるビタミンCやポリフェノールの抗酸化作用は、とくに有名です。抗酸化とは、酸化してサビつくのを防ぐ作用で、いわゆる「アンチエイジング」の旗印となった言葉です。同じく赤い色をまとったクランベリーは、そのポリフェノール含有量が他と比べて飛び抜けています*1。そしてもうひとつ、クランベリー特有のポリフェノール成分「プロアントシアニジン」は、尿路に細菌が付着・定着することを阻害し、膀胱炎や尿道炎といった尿路感染症を防ぐ作用にも優れています*2。

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プロフィール
高橋敦彦氏

学術監修
高橋敦彦氏(たかはし あつひこ)医学博士

  • 聖路加国際病院を経て、駿河台日本大学病院より日本大学医学部総合健診センター医長。
  • 研究テーマに「生活習慣病」「食と健康管理」など。
  • 日本内科学会認定内科専門医、日本総合健診医学会専門医・同評議員ほか。
  • 著書に「生活習慣病と食事療法‐予防から治療まで(共著)」(新興医学出版社)、「一目でわかる内科学(翻訳)」(メディカル・サイエンス・インターナショナル)、「総合健診ハンドブック(共著)」(中外医薬社)など。
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